誰でも分かる基本報酬改定による区分の差

報酬の改定が実施されました

平成30年4月より放課後等デイサービスにおいて報酬に関する改定が実施されました。
概要は「基本報酬の見直し」+「加算の拡充」というもので、障がいの軽い児童が多い事業所や、資格をもった人員が少ない事業所では売上が下がるというものとなっています。ここでは今回新設された報酬区分について分かりやすく解説します。

報酬において重要な区分とは

改定前の規定では障がいの程度に関わらず基本報酬は一律となっておりましたが、改定により児童の障がいの程度によって報酬区分が2つ(区分1、区分2)に分けられ、障がいの程度により事業所の基本報酬に差がでるものとなりました。

区分の判定については次の規定があります。
①食事、②排泄、③入浴、④移動のうち3つ以上の日常生活について全介助を必要とする障がい児、及びコミュニケーション能力の度合いや異食行動の頻度など16項目を点数で評価し、一定点数を超える障がい児が、前年度に利用者合計数の半分以上を占めていると区分1(基本報酬が高い区分)に該当するとされます。
(導入当初の措置では平成30年4月1日の在籍者の割合で判定されます。)

報酬区分による差

区分1と区分2の事業所ではどれくらいの差があるのでしょうか。
利用定員が10人以下の事業所の場合で具体的に確認してみましょう。
(短時間営業ではなく通常時間のサービス提供とします。)

(平日/休日)
・区分1に該当+通常時間のサービス提供の場合 :656単位/787単位
・区分2に該当+通常時間のサービス提供の場合 :609単位/726単位

区分1と区分2では1日約50単位の差があります。これは22日営業している都内の事業所では1ヶ月の売上に約120,000円の差がでることとなります。
さらに区分1では2人分加算可能な児童指導員等加配加算が区分2では1人分しか加算されず、売上の差はさらに大きくなります。
理学療法士や保育士を加配した場合は1人につき209単位(月売上約500,000円)の加算となりますので非常に大きな差となります。

判定の実態

上記の判定方法は厚労省から自治体に送られた事務連絡の内容ですが、その実態はこの通りではなく、自治体に区分の判定を委ねております。

ある自治体では、受給者証を交付するときに行った調査項目(5領域11項目)やヒヤリングの結果で判定した障がいの度合いを継続して活用し、ある自治体では事業所が今回の基準となる16項目で児童の障がいの程度を判定し、事業所の報酬区分を判定しております。

まとめ

5月には改定後初めての請求の作業が行われることでしょう。区分2となった事業所の多くのは売上が下がることが予想されます。獲得できる加算をとり、サービスの質がこれまで以上に求められていきます。

区分2の事業所が多いことには理由があった!?
(【限定公開記事】報酬区分判定の裏話