【続報】H30年4月報酬改定〜区分2に該当した場合の傾向と対策〜

平成30年4月より報酬区分が新設されました

平成30年4月から実施された報酬にかかわる改定では、事業所の報酬区分が新設され、事業所の報酬区分が区分1と区分2に分けられました。
区分の判定方法についてはこちら
ここでは報酬の低い区分2となった場合に知っておきたいことをお伝えします。

区分2の事業所になった場合に知っておきたいこと

Ⅰ基本報酬

改定前の規定では障がいの程度や、サービス提供時間に関わらず基本報酬が一律となっていましたが、改定により児童の障がいの程度により報酬区分(区分1、区分2)が設定され、1日のサービス提供時間の短い事業所については短時間報酬が設定されました。
つまり一律だった基本報酬が4通りになったということです。

<改定前>利用定員が10人以下の事業所の場合(平日/休日)
・一律:473単位/611単位

<改定後>利用定員が10人以下の事業所の場合(平日/休日)
・区分1に該当+通常時間のサービス提供の場合 :656単位/787単位
・区分1に該当+短時間のサービス提供の場合  :645単位/787単位
・区分2に該当+通常時間のサービス提供の場合 :609単位/726単位
・区分2に該当+短時間のサービス提供の場合  :596単位/726単位
※休日に短時間報酬は設定されていません。
※サービス提供時間については3時間が短時間と通常時間の区切り目とされます。
※児童発達支援管理責任者専任加算(205単位)が廃止されました。

区分2に該当する事業所が、平日の通常時間サービスを提供していると、
改定前では473単位+205単位=678単位であったのに対し、改定後では609単位となってしまい、1日あたり69単位の基本報酬が下がることとなります。これは東京都にある事業所が平日22日営業した場合、月の売上が約170,000円下がることとなります。

Ⅱ児童指導員等加配加算

改定前の児童指導員等加配加算では、児童指導員等を加配した場合と無資格者を加配した場合では報酬にあまり差がありませんでしたが、今回の改定では理学療法士や保育士を加配すると大きな加算がとれ、無資格者を加配した場合は改定前より加算が半減します。

<改定前>1人分のみ加算
・児童指導員等を配置する場合:195単位
・その他従業者を配置する場合:183単位

<改定後>区分1の事業所では2人分まで加算(区分2の事業所は1人分のみ加算)
・理学療法士等を配置する場合:209単位
・児童指導員等を配置する場合:155単位
・その他従業者を配置する場合:91単位

区分2の事業所は1人分の加配加算しか受けることができないので児童指導員等加配加算で得られる加算は多くても209単位となります。
では実際、改定により売上はどれくらい変わるのでしょうか。

区分2の事業所の傾向と対策

ほぼすべての事業所に影響する基本報酬と児童指導員等加配加算の改定から区分2の事業所における売上の傾向を計算例でみてみましょう。
※東京都の利用定員10名以下の区分2に該当する事業所が障がい児に平日22日間営業した場合を考えます。

<改定前>
・基準人員の他に児童指導員等を1人配置した場合
基本報酬(473単位)+児童発達支援管理責任者専任加算(205単位)+児童指導員等加配加算(195単位)=873単位/日(月売上約2,151,000円)

<改定後>
①理学療法士(保育士)等を加配し通常時間のサービスを提供した場合
基本報酬(609単位)+児童指導員等加配加算(209単位)=818単位(月売上約2,015,552円)
最大限に加配加算をとっても売上が下がることとなりますが、このパターンを目指すことが安定した経営の第一歩となります。

②児童指導員等を加配し、通常時間のサービスを提供した場合
基本報酬(609単位)+児童指導員等加配加算(155単位)=764単位(月売上約1,880,000円)
多くの事業所がこのパターンになると思われます。300,000円近く下がることとなります。

③その他従業者を加配し通常時間のサービスを提供した場合
基本報酬(609単位)+児童指導員等加配加算(91単位)=700単位(月売上約1,720,000円)
有資格者と無資格者の加算単位の差が大きくなった影響で、加配する人員が無資格者であると大きく売上が下がることとなります。

④児童指導員等を加配し、短時間のサービスを提供した場合
基本報酬(596単位)+児童指導員等加配加算(155単位)=751単位(月売上約1,850,000円)
短時間のサービス提供では長時間のサービス提供よりも若干売上が下がってしまいます。

まとめ(区分2になった場合の対策)

今回の改定で区分2となった事業所では売上が下がることとなります。少しでも下がり幅を抑えるためには①のパターンのように保育士や理学療法士を確保すること、減算の対象とならないことが必要となります。

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