NPO法人でも非課税でないのはホント!

NPO法人であっても法人税は課税される

以前は放課後等デイサービスも非課税業種と考えられ、法人税申告をしないNPO法人が多くありました。

NPO法人であっても収益事業から生じた所得に対しては法人税が課されます。(非収益事業から生じた所得には法人税は課税されません)
ここで収益事業に該当する事業とは、行っている事業が法人税法上で定められる下記の34業種で継続して事業場を設けて行われる事業のことをいいます。

放課後等デイサービスの収益判定の指標

NPO法人が行う放課後等デイサービスは収益事業なのか?
照会事例として平成29年7月に国税庁から「NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合の法人税の納税義務について」が公表されました。
この照会事例はNPO法人が行う障害福祉サービスが収益事業となるかどうかに関するもので、結論としては収益事業である「医療保健業」または「請負業」と判定されており、法人税が課税されると書かれています。では放課後等デイサービスもどちらかに該当するのか確認しましょう。

医療保健業に該当するか

放課後等デイサービスのような障害福祉サービスは医療と密接な連携がなされているので「医療保健業」に該当すると照会事例中で述べられています。ですが看護師の関与がない場合など、「医療保健業」とは言えないという考え方もあります。
よって放課後等デイサービスが医療保健業とすぐさま判定されるというわけではないようです。

障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスは、障害者に対して介護等の提供を行う対人サービスであり、こうした障害者は医療保健面でのケアを必要とするのが通例であることから、医療と密接な連携がなされており、実際面において、これらは、個別支援計画の策定過程等を通じて確保されますので、このような特徴を有する障害福祉サービスは、原則として収益事業である「医療保健業」に該当します(法令5 二十九)。
 他方、就労移行支援に代表されるように、看護師の関与も求められていないものについては、必ずしも「医療保健業」とは言えないのではないかと考える向きもあるようです。
引用:照会事例「NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合の法人税の納税義務について」

では請負業に該当するのか

請負は「当事者の一方がある仕事を完成させることを約し相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約するによってその効力を生ずる」ものと規定されています。
つまり他人に仕事を依頼され、その報酬をもらうことは請負業となります。
照会文中でも事業者と利用者との間で利用契約を締結していると「請負業」に該当すると述べられています。
放課後等デイサービスも事業者と利用者の間で利用契約を結び、報酬を受領することから請負業に該当し、収益事業となる可能性があります。

『障害者総合支援法の下で、事業者と利用者との間で利用契約を締結し、利用者からそのサービスの対価を受領することになりますので、そうした契約関係等を踏まえれば、法人税法施行令第5条第1項第10号に規定する収益事業である「請負業(事務処理の委託を受ける業を含む。)」に該当します』
引用:照会事例「NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合の法人税の納税義務について」
国税庁URL<https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/21/18.htm>

まとめ

放課後等デイサービスはその性質から医療保険業もしくは請負業に該当し、その所得は課税の対象となる可能性が高いです。法人税が非課税だと思い込み、申告をしていなかった場合には、今後課税されるリスクも考えられるため、より慎重な判断が求められます。